韓国の保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前検事総長(61)が9日の大統領選に勝利し、政権交代が5年ぶりに実現する。わずか0・7ポイント差の大接戦となったこともさることながら、尹氏は検察一筋で国会議員はおろか、地方議員も経験したことのない「政治経験ゼロ」という異例の経歴を持つ。政治の素人を次期大統領に押し上げたものは何か。背景には、本人の実力や運だけでは片づけられない3つの要因があった。
朴政権とも戦う
世論調査会社の韓国ギャラップが11日に発表した調査結果によると、尹氏に投票した有権者のうち、39%が「政権交代」を理由に挙げた。ほかには「対立候補が嫌い、それよりましだから」が17%で、「国民の力を支持、政治性向が一致」は7%に過ぎなかった。