国連事務総長 中仏独印などに仲介求める

国連のグテレス事務総長は14日、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり「この悲劇を終わらせなければいけない」と述べ、中国やフランス、ドイツ、インド、イスラエル、トルコなど多くの国に仲介を求めていると記者団に明らかにした。

グテレス氏はウクライナで「女性や子供を含む数えきれない無実の市民が殺されている」とし、露軍が攻撃した学校や空港が「廃虚と化した」と強調。ロシアが核運用部隊を戦闘警戒態勢に移行させたことにも触れ「かつては考えられなかった核戦争が今では起こり得る」と警鐘を鳴らした。

また、ウクライナ国内の避難生活者は190万人に上り、この2週間で280万人が難民として近隣諸国に逃れたと指摘。数十万人が水も電気もない状態で暮らしているとして、人道支援のため国連中央緊急対応基金(CERF)から4000万ドル(約47億円)を拠出すると発表した。CERFは侵攻開始直後の2月24日にも2000万ドルの拠出を発表している。

このほか、ウクライナの穀倉地帯が爆撃を受けたことで穀物価格が高騰しているとして、「発展途上国での飢餓の蔓延(まんえん)や世界の食料供給網の崩壊を防がなければいけない」と訴えた。(ニューヨーク 平田雄介)

会員限定記事会員サービス詳細