ロシアのウクライナ侵攻をめぐって、東南アジア各国は総じて批判の熱量が低い。
東南アジア諸国連合(ASEAN)としては今月3日にウクライナ情勢を「深く懸念している」という声明を発表したが、全体で2段落ほどの短さである上、ロシアを名指ししての抗議は含まれなかった。ASEANは国軍がクーデターで実権を握ったミャンマー情勢をめぐっても強い批判に消極的だが、ここでもASEANの限界を感じずにはいられない。
地域の盟主を自任し、何かと存在感を発揮したがるインドネシアも非難のトーンは弱い。インドネシアは東南アジア唯一の20カ国・地域(G20)参加国で、今年は初めて議長国を務める。議長国として同じくG20のメンバーであるロシアへの批判を避けているとの見方がある。ベトナムやラオスは軍事装備品の供給元としてロシアとの関係が深く、対露包囲網形成には及び腰だ。