共産党の田村智子政策委員長が自身の発言訂正に追い込まれた。ロシアに侵攻されたウクライナを支援すべく、自衛隊の防弾チョッキなどを提供する日本政府の方針について、当初は「反対しない」との考えを示したが、翌日に「不正確であり、訂正する」と撤回した。「(最初の発言は)党内で必要な相談をしないで行った」とも強調しており、組織を絶対視する党の特徴が浮き彫りとなった。
田村氏は4日の定例記者会見で、自衛隊が持つ防弾チョッキなどの物資を政府が提供する方向で調整に入ったことについて「人道支援としてできることは全てやるべきだ。そのことについて今、私がこの場で反対と表明するようなことは考えていない」と述べた。
この回答を会見場で聞いていた筆者は内心、「ずいぶんと踏み込んだな」と驚きを隠せなかった。綱領で「自衛隊の解消」とまで記す共産党の見解に沿わないような気がしたためだ。「ウクライナ国民を支えるためにはさすがに賛成せざるを得なかったか」と感じた一方で、数日後に予定されていた小池晃書記局長の定例記者会見で「軌道修正」が図られるのではないかという思いも払拭できなかった。