ウクライナ副首相、日本の協力にツイッターで「アリガトウ」

ウクライナのフョードロフ副首相兼デジタル転換相は14日、ツイッターで「ウクライナへの支援に感謝します」と題した動画を公開し、ロシアの侵攻に抵抗しているウクライナへの各国政府や企業の援助に対して謝意を表明した。動画には日本の岸田文雄首相も登場し、国際社会に一定の存在感を保てた形だ。

「ニホン、アリガトウゴザイマシタ」-。英語で作成された動画で岸田首相のニュース映像が映し出された部分だけは日本語に切り替わり、拝むような絵文字とともに感謝が伝えられた。日本は、先進7カ国(G7)で足並みをそろえ制裁やウクライナへの防衛装備の提供に踏み切った。

動画では、ウクライナに高速インターネット接続サービスを提供したテスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏や英国のジョンソン首相、ロシア政府などのウェブサイトにサイバー攻撃を仕掛ける国際ハッカー集団「アノニマス」なども紹介され、「遠い隣国の人たちへ、皆さんに感謝します」との言葉で締めくくられた。

日本は、イラクに侵攻されたクウェートを解放しようと多国籍軍が反撃した1990~91年の湾岸戦争で、多額の資金を拠出しながら人的貢献ができなかったことで「小切手外交」と揶揄(やゆ)された苦い経験がある。今回は日本経済も〝返り血〟を浴びる強力な制裁に加え、武力攻撃を受けている国に防衛装備品を提供する異例の決定を下すなどしたことで、国際社会から一定の評価を受けているといえそうだ。

(田辺裕晶)

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