卓球・張本智和、完全復活へ パリ五輪代表選考会、エースの自覚胸にV発進

男子決勝で及川瑞基を下し、優勝した張本智和=アリーナ立川立飛
男子決勝で及川瑞基を下し、優勝した張本智和=アリーナ立川立飛

卓球男子の悩めるエースが完全復活への道を歩み始めた。3月5、6日に東京・アリーナ立川立飛で開かれた2024年パリ五輪シングルス代表の第1回選考会となる「ライオンカップ・トップ32」。男子を制したのは東京五輪団体銅メダリストの張本智和(木下グループ)だった。全日本選手権では18年に14歳で史上最年少優勝を果たして以降、頂点に立てず、今年も16強にとどまった18歳。久しぶりの〝日本一〟に安堵の表情を見せた。

喜びの表現は独特だった。及川瑞基(木下グループ)との決勝を制した張本は思わずラケットを手放すと、次の瞬間、ユニホームをおなかからまくり上げて顔を覆い、そのままガッツポーズ。ベンチに引き上げると涙ぐみ、優勝インタビューでは「苦しい1、2年だったが、やっとシングルスのタイトルを取れた。自分のプレーが戻ってきたことが本当にうれしい」とうなずいた。

国内大会で優勝するのは19年12月のジャパン・トップ12以来、約2年3カ月ぶり。この間、気持ちの浮き沈みは大きかった。「自分が勢いのないときに強気な発言をする選手もいる中、不安な気持ちもあった。自分に対して情けないという気持ちが強かった」

昨夏の東京五輪は団体戦で全勝してチームに銅メダルをもたらし、五輪後に引退した水谷隼さんに代わるエースとしての存在感を示したが、シングルスは16強止まり。早田ひな(日本生命)とのペアで混合ダブルス準優勝を果たした昨年11月の世界選手権も、シングルスは初戦敗退に終わった。腰痛を抱えて臨んだ今年1月の全日本選手権は8強にも届かず。「昔、自分が攻めていた勢いを、ここ数年は逆にやられている」。思い切りのいいプレーで果敢に挑んでくる相手に面食らう機会も多く、追われる立場の難しさを痛感していた。

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