首相、改憲実現へ参院選勝利強調 世論喚起は道半ば

自民党大会で総裁演説を行う岸田文雄首相=13日午前、東京都港区(矢島康弘撮影)
自民党大会で総裁演説を行う岸田文雄首相=13日午前、東京都港区(矢島康弘撮影)

自民党総裁の岸田文雄首相は13日の党大会演説で、重要課題としてウクライナ情勢への対応などとともに憲法改正を挙げ「こうした歴史的な変化に立ち向かっていくための力を得る戦いが参院選だ」と強調した。参院選で改憲を争点化して勝利し、議論加速化のエンジンにしたい考えだが、世論喚起はまだ道半ばだ。

首相演説では「われわれ一人一人が国民としっかり対話し、憲法改正という党是を成し遂げよう」とも訴えた。党大会で採択した令和4年党運動方針では、すべての都道府県連が「憲法改正実現本部」を必ず設置し、「研修会・対話集会などを活発に展開」することを求めた。党本部が地方組織の活動を支援する。

運動方針には「早期の憲法改正を目指す」とも記したが、時期は明示しなかった。ゴールを決めると立憲民主党などが反発するという理由もあるが、まだ先が見通せない現実もある。今国会、改憲議論をめぐる状況は改善した。衆院憲法審がほぼ毎週開催され、「緊急事態の国会議員任期延長」が有力テーマに浮上した。とはいえ、議論具体化の兆しが見えたばかりで、世論もまだ不十分といえる。

自民は2月6日、世論を盛り上げる運動の第一弾として岐阜市内で憲法集会を開催した。その後も各地で毎週末開かれているが、新型コロナウイルス感染拡大を受けた蔓延(まんえん)防止等重点措置適用の影響で頻度は当初の想定より少ない。

地方には国会議員の本気度を疑う声もある。千葉県議の河上茂県連幹事長は12日の全国幹事長会議後、記者団に「党本部はわれわれに『憲法改正』と言ってくるが、選挙間近になると国会議員から憲法改正の話が消える。その話をすると落選してしまうと感じているのではないか」と語った。ウクライナ情勢などに世論の関心が向く中、参院選で改憲を争点化できるのか正念場を迎えている。(田中一世)

岸田首相「一致団結して勝利を」 自民党大会で参院選勝利呼びかけ

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