【ソウル=桜井紀雄】9日の韓国大統領選に勝利した保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソンヨル)次期大統領は13日、5月の新政権発足に向けて政策や人事を取りまとめる「政権引き継ぎ委員会」の委員長に、中道系野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)代表を任命したと発表した。
安氏は大統領選に出馬したが、投票日を目前に「政権交代」の実現のために尹氏に候補を一本化することに合意し、尹氏支持に回った。尹氏は、一時は争った安氏を新政権準備の司令塔役に起用することで、「国民統合政府」のイメージを打ち出す狙いとみられる。
安氏は政策通でも知られ、新政権の要職にも起用される見通しだ。両党は党の合流でも合意している。
尹氏は「安代表は私と国政運営の価値や哲学を共有し、適任者だと判断した」と強調した。
副委員長には尹陣営の選挙対策本部長を務めた権寧世(クォン・ヨンセ)国会議員、企画委員長には選対政策本部長だった元喜竜(ウォン・ヒリョン)前済州道(チェジュド)知事を充てた。委員会には7つの分科を設けて計24人の委員を任命。そのほか、特別委員会なども設置し、安氏はコロナ非常対応特別委員会のトップも兼任する。