書評

『最終列車』原武史著

『最終列車』著・原武史
『最終列車』著・原武史

平成期を通じて、日本の鉄道は大きく姿を変えた。新幹線の相次ぐ新規開業と並行在来線の第三セクター化による衰退、その一方で富裕層向け在来線クルーズ列車の盛況…。ミクロで見れば乗客同士が向かい合うボックス型座席の車両はめっきり減り、いまや地方の山中でも首都圏と似たロングシート車両が走る。乗客同士の会話はなくなり、人々はただ手元のスマホを見つめるようになった。

鉄道という交通機関の特徴である公共性の退潮や、「お召し列車」の変遷にみる皇室のあり方の変化など、鉄道ファンとして知られる政治思想史学者の鋭い洞察が光るエッセー集。(講談社・1980円)

会員限定記事会員サービス詳細