EU、対露制裁で追加制裁 最恵国待遇剝奪 高級品を禁輸 米国と歩調合せる

欧州委員会のフォンデアライエン委員長(ゲッティ=共同)
欧州委員会のフォンデアライエン委員長(ゲッティ=共同)

【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)は11日、ロシアへの追加制裁を決めた。貿易上の優遇措置である「最恵国待遇(MFN)」の地位を剝奪し、有名ブランドなどの高級品の輸出を禁止する。米国の制裁と歩調を合わせた。

欧州委員会の声明によると、EUは国際通貨基金(IMF)や世界銀行などの国際機構で、ロシアの加盟国としての権利を停止するよう働きかける。ロシアの主力輸出品である鉄鋼製品について、輸入の差し止めも決めた。

EU議長国フランスのマクロン大統領は11日、パリ郊外ベルサイユで開かれた首脳会議の記者会見で、「より強烈な制裁を科す用意がある」と述べた。首脳会議は、2027年までにロシア産ガスや石油からの依存を脱する方針を確認した。

また、EU首脳会議では、ウクライナ危機に対応し、加盟国が「十分に国防費を増額する」方針を明記した「ベルサイユ宣言」を採択した。マクロン氏は記者会見で、ドイツやデンマークが最近、国防政策の見直しを発表したことに触れ、「歴史的な決定が相次いでいる」と指摘した。

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