岸田文雄首相は12日午前、政府の観光支援事業「Go To トラベル」をめぐり、東日本大震災被災地の観光業者の期待が大きいとして「適切な時期が来たら、迅速に再開できるよう政府としても準備を進める」と述べた。心のケアや産業などソフト面の復興にも注力する考えを示した。宮城県石巻市で記者団の質問に答えた。
震災の記憶や教訓の風化を懸念する声があることに対し「貴重な教訓を後世に残し、防災や減災に生かしていくのは私たちの責務だ」と語った。ソフト面での対策強化の必要性に言及する一方、「住宅や道路などハード面の整備が進んだ」と評価した。
これに先立ち、首相は震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市と石巻市南浜地区の復興祈念公園をそれぞれ訪れ、犠牲者に献花し、黙禱(もくとう)をささげた。