将棋棋士を養成する奨励会の第70回三段リーグ戦の最終日が12日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で指され、岡部怜央(れお)三段(22)と徳田拳士(けんし)三段(24)が、ともに通算15勝3敗でそれぞれプロ棋士となる四段昇段を決めた。次点(3位)は、通算14勝4敗の片山史龍三段(17)となった。
四段昇段は4月1日付。
岡部新四段は加瀬純一・七段門下で山形県鶴岡市出身。徳田新四段は小林健二・九段門下で山口県周南市出身。
会見で、岡部新四段は「(四段に)上がることができてホッとしている。得意は相掛かりで、序盤が強み」と話した。徳田新四段も「(四段に昇段でき)ホッとしている」と笑顔を見せ、自らの棋風を「角換わりが得意で、攻め将棋が好き」と表現した。
岡部新四段は三段リーグ入りした4年前に上京。「これまで応援してくれた方々には会っていない。(昇段の)報告をできたのはうれしい」と語った。
徳田新四段は山口県初のプロ棋士。「地元の方々に応援していただいているのが伝わってきた。何とか棋士になることができ、恩返しになるかな」と話した。昨年には藤井聡太竜王(19)が誕生した竜王戦第4局の記録係を務めて熱戦を目の当たりにし、「もっともっと勉強しなければいけない」と感じたという。
三段リーグ戦は年2回開かれ、各自18局を行い、原則として上位2人しか棋士になれないという狭き門。ただし、3位には次点がつき、次点2回で棋士となる。