ロシアのウクライナ侵攻で、ウクライナ国境警備当局は11日、同国国境に近い隣国ベラルーシの集落をロシア軍機が爆撃したと発表した。ウクライナは、攻撃はベラルーシを侵攻に参加させるためのロシアの「偽旗作戦」だと指摘。近くベラルーシ軍が参戦する恐れがあると分析した。ウクライナメディアが伝えた。
同国大統領府のアレストビッチ顧問は同日、「攻撃後、ベラルーシ軍部隊が国境地帯に向かった」と述べた。ウクライナ情報当局も「11日夜にも参戦する可能性がある」とした。
ロシアと同盟を結ぶベラルーシは露軍の侵攻開始地点の一つとなり、ミサイル発射拠点でもある。米欧は侵攻を支援したとしてベラルーシにも制裁を科した。
同国のルカシェンコ大統領は11日、プーチン露大統領とモスクワで会談。ベラルーシ国営ベルタ通信によると、プーチン氏はベラルーシに近く最新の軍事装備を供与すると表明した。
一方、ウクライナ内務省のデニセンコ顧問は同日、ベラルーシ軍は少数で実戦経験がない上、ルカシェンコ氏は侵攻で国民の支持を失うことを恐れている-と指摘。同国軍参戦の可能性は現時点でそれほど高くないとする見方を示した。
戦況をめぐっては、露国防省が11日、東部ボルノバーハを制圧したと発表。ロシア軍は首都キエフへと包囲網を狭めている。前線の各都市から民間人を退避させる「人道回廊」でこれまでに10万人以上が退避したが、一部都市では回廊設置後も露軍の攻撃が続き、完全には成功していない。