首相「韓国次期大統領のリーダーシップ期待」 発言詳報

東日本大震災被災地へ向かうため官邸を出る岸田文雄首相=11日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)
東日本大震災被災地へ向かうため官邸を出る岸田文雄首相=11日午前、首相官邸(矢島康弘撮影)

岸田文雄首相は11日午前の韓国の尹錫悦(ユン・ソンヨル)次期大統領との電話会談後、官邸で記者団に対し「尹氏のリーダーシップに期待し、日韓関係の改善のためともに協力したい」と述べた。発言の詳細は次の通り。

--会談の内容は。いわゆる徴用工や慰安婦問題の話題はあったのか

「先ほど、尹氏との電話会談を行った。私の方から改めて祝意を伝えたうえで、日韓はお互い重要な隣国であり、国際社会が時代を画するような大きな変化に直面する中、健全な日韓関係はルールに基づく国際秩序を守り、地域や世界の平和、安定、繁栄を確保する上で不可欠であることや、日米韓の連携が重要であることを申し上げた」

「さらには私から1965(昭和40)年の国交正常化以来、築いてきた日韓の友好協力関係を基盤としながら、日韓関係を発展させていく必要があり、ぜひ尹氏のリーダーシップを期待するということ、そして日韓関係改善のためにともに協力をしていきたいと申し上げた」

「これに対し、尹氏からは日韓関係を重視しており、関係改善に向けてともに協力していきたいという発言があり、また先般のICBM(大陸間弾道ミサイル)級弾道ミサイルの発射をはじめとする核ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応についても、緊密に連携をしていくことで一致した。これ以上詳細は外交上のやり取りのため、申し上げることは私からは控える」

--対面での会談については

「当然、早く対面でもお会いしたい、対話を行いたいということは発言としてあった。私からもあり、先方からもあった」

--北朝鮮がICBM級を発射したことについてさらなる制裁は

「すでに防衛省から発表があったと思うが、最近、北朝鮮が発射した弾道ミサイルについて、米国政府とも緊密に連携しつつ、分析を進めた結果、新型ICBMであるとの評価に至った。こうした内容を米国から公表するとの連絡を受け、11日に国家安全保障会議(NSC)を開催し、関係閣僚間で情勢認識を共有し、そして私の方から必要な指示を行った次第だ」

「北朝鮮の行動は地域および国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認をすることはできない。関連する(国連の)安全保障理事会決議にも違反するものであり、強く非難する」

「今後の対応については外交面や制裁の観点も含め、米国、韓国とも連携しつつ検討していきたい。こうした状況を踏まえ、引き続き高度の警戒態勢を維持するとともに、わが国の防衛力を抜本的に強化していかなければならない。その際、国民の命や暮らしを守るために十分な備えができているのか、こういった観点から、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討していくことが重要であると改めて感じている」

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