復興と教訓伝える 京都市内で「岩手日報」が号外

岩手日報の特別号外
岩手日報の特別号外

未曽有の被害をもたらした東日本大震災から11年となった11日、岩手県の地元紙「岩手日報」の記者らが京都市内で特別号外を配り、復興の現状と支援への感謝を伝えた。

号外を配る岩手日報の藤原哲さん(右)=京都市下京区
号外を配る岩手日報の藤原哲さん(右)=京都市下京区

《命の重さ 今こそ》

1面には見出しとともに、新旧の防潮堤が並ぶ岩手県宮古市田老(たろう)地区の写真を掲載。紙面では震災の爪痕と巨大地震への教訓、復興しつつある町の様子や人々の思いが記されている。

号外はカラー計10ページ。地元出身で北京冬季五輪のノルディックスキー・ジャンプ男子個人ノーマルヒルで金メダルを獲得した小林陵侑(りょうゆう)選手(25)の活躍や、仙台市~青森県八戸市を結ぶ復興道路として整備された三陸道(全長359キロ)が昨年末に全線開通したことなども紹介した。

同社は震災翌年の平成24年から特別号外を毎年各地で発行してきた。今年も計1万8千部を発行し、東京や名古屋などで配った。京都高島屋(下京区)周辺では、同社の記者ら10人が1千部を配布し、市民らが次々と受け取っていた。

号外を配った同社の藤原哲(さとし)執行役員(59)は「復興しつつある岩手の姿を知ってもらうとともに、いつかくる巨大地震への教訓として伝えていきたい」と話していた。(鈴木文也)

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