「虚偽の意図なし」毒物カレー事件、ヒ素鑑定人への賠償請求棄却

記者会見で判決への見解を示す林真須美死刑囚の弁護団=11日午後、大阪市北区
記者会見で判決への見解を示す林真須美死刑囚の弁護団=11日午後、大阪市北区

和歌山市で平成10年、夏祭りのカレーを食べた住民4人が死亡、63人が急性ヒ素中毒となった毒物カレー事件で、毒物のヒ素に関する虚偽の鑑定結果などが法廷に提出されたために、結果的に死刑判決が確定したとして、林真須美死刑囚(60)が、鑑定人2人に計6500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、大阪地裁であり、田口治美裁判長は林死刑囚側の請求を棄却した。

田口裁判長は判決理由で、カレーに含まれたヒ素が、林死刑囚の自宅から検出されたヒ素と同一とした鑑定などに「一部正確性を欠く前提や表現がある」と認定した。ただ、鑑定人に「虚偽鑑定の意図はなかった」として、賠償責任は認めなかった。

鑑定結果は林死刑囚の有罪を認定した根拠の一つ。

林死刑囚側は21年に申し立てた再審請求でも、鑑定の正確性に疑義があると訴えた。この再審請求について、和歌山地裁は29年、林死刑囚側の主張を一部認めつつも「ほかの間接事実だけでも犯人性が非常に強く推認される」と判断し、請求を退けている。

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