難航から急転の大リーグ労使交渉妥結 どうなるFA戦線

選手会と新労使協定の締結で合意し、記者会見する米大リーグ機構のマンフレッド・コミッショナー=10日、ニューヨーク(AP=共同)
選手会と新労使協定の締結で合意し、記者会見する米大リーグ機構のマンフレッド・コミッショナー=10日、ニューヨーク(AP=共同)

機構(MLB)と選手会の労使交渉が難航し、開幕延期が決まっていた米大リーグは10日、新協定の締結で合意した。MLBのマンフレッド・コミッショナーが発表した。これにより、今季は13日に春季キャンプを開始し、17日あるいは18日にオープン戦スタート。レギュラーシーズンは4月7日に開幕し、162試合行われる。

MLBの公式ホームページやAP通信などによると、合意の内容は①最低年俸が57万500ドル(約6600万円)から2022年は70万ドル(約8000万円)にアップ、以後26年には78万ドルまで上昇する。②ぜいたく税が発生する年俸総額は22年は2000万ドルアップの2億3000万ドル(約265億6000万円)、以後年300~400万ドル上げ、26年は2億4400万ドルとする。③新たに設けられた上位100選手に与えられるボーナスプールは5000万ドルとする。他にはプレーオフ進出球団は10から12へ増加。ナ・リーグでも指名打者制を採用など。

ただ、ドラフト会議対象外のドミニカ、キューバなど選手に対する国際ドラフトについては先送りされた。

21年11月で失効した労使協定を結ぶための交渉は難航を極め、27年ぶりのロックアウトに突入、99日目になっていた。今季の開幕は当初、3月31日が予定されていたが、2カード中止して4月7日に延期。その後の交渉でも合意に至らず、9日にはさらに2カード分を中止して4月14日に再延期することが発表されたばかり。

それが急転直下、合意に至ったのは試合ができないことに対する双方の不利益が大きくなるためだった。

その代表がフリーエージェント(FA)選手の契約問題。大物ではカルロス・コレア内野手(前アストロズ)、フレディ・フリーマン内野手(前ブレーブス)、クリス・ブライアント外野手(前ジャイアンツ)、トレバー・ストーリー内野手(前ロッキーズ)ら200人近い選手が、交渉停止で移籍先が決まらないまま宙に浮いていた。開幕まで1カ月もなく、短期決戦で移籍交渉が一気に進展することは間違いない。マリナーズからFAの菊池雄星投手の情勢も注目される。

また、新たにFA権を獲得するためのサービスタイム(登録日数)が、これ以上交渉がもつれて開幕が延期されると1年に達しなくなり、FAを行使できる時期が1年遅れることも大きかった。エンゼルスの大谷翔平選手も23年オフの獲得が24年オフになるという影響の直撃を受ける恐れがあった。辛くも1年遅延の事態は避けられた。

さらに、ポスティングシステムで日本プロ野球の広島からの移籍を目指してきた鈴木誠也内野手の行方も目が離せない。ジャイアンツ、レンジャーズなどの名前が挙がっているが、1日も早い決定が望まれる。

すったもんだの揚げ句、22年の大リーグがスタートを切った。

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