エネルギー高騰 原発再稼働めぐり野党相違浮き彫り

東日本大震災後、運転停止が続く島根原発=松江市(沢野貴信撮影)
東日本大震災後、運転停止が続く島根原発=松江市(沢野貴信撮影)

ロシアのウクライナ侵攻に伴い、エネルギー価格の急騰などが懸念される中、主要野党の原発に関する見解の相違が浮き彫りとなっている。日本維新の会と国民民主党が再稼働の必要性を訴える一方、立憲民主党は慎重に対応すべきだと主張。また、共産党は「廃炉」を求めており、夏の参院選の大きな争点となりそうだ。

維新の松井一郎代表(大阪市長)は2月28日、ロシアへの経済制裁によってエネルギー価格の高騰を招き、家計に打撃を与える恐れがあるとして、原発再稼働を短期的に容認する考えを示した。市役所で記者団に「日本のエネルギーが高コストになってしまう。電気料金の値上がりにつながると生活が成り立たない」と説明した。

維新は原発について「市場原理の下でフェードアウトを目指し、国内発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合を拡大させる」と訴えてきたが、松井氏は「短期的には今止まっている原発の再稼働はやむなしだ」と述べた。

国民民主の玉木雄一郎代表も今月4日、記者団に「法律に基づく安全基準を満たした原発の再稼働を含めた多様なエネルギー源の確保に取り組むべきだ」と与党に要請したと明かした。

一方、立民は再稼働に関して慎重に判断すべきだとの立場を崩していない。小川淳也政調会長は10日の記者会見で「国が策定した全面的な避難計画を含め、非常にハードルが高い。再稼働について基準や運用を緩めるということは非常に言及しにくい」と述べた。

党内には現存する原発については「動かすしかないと思っている」(幹部)との声もあるが、「原発に戻るのではなく、放射能も二酸化炭素(CO2)も出さない太陽光や風力など再エネ発電に転換すべきだ」(菅直人元首相)との意見も根強い。

共産の田村智子政策委員長は11日の会見で、原発が供給しているエネルギーはわずかだと指摘。「再稼働ではなく廃炉、原発ゼロを改めて求めるべき時だ。思い切って一気に自然エネルギーをどうやって普及させるかということにすぐに動くべきだ」と強調した。

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