サンライト帳

ママ記者の手紙⑭闇を照らす月

息子は夕方になると空を見上げ「ま」「ま」という。「ま」は「お月さま」のことだ
息子は夕方になると空を見上げ「ま」「ま」という。「ま」は「お月さま」のことだ

月に興味を持った息子に絵本『ふしぎな月』(理論社)を読み聞かせている。「ふしぎな月はとおいくにのそらにものぼりました」「サバンナのよぞらにも」「ジャングルのよぞらにも」「せんじょうのよぞらにも」。サバンナやジャングルは響きが気に入り「バッ」「グル」と反応するが、戦場はピンと来ないようだ。火の手が上がる絵をじっと見ている ▼1歳9カ月のわが子に戦場の説明をすることになるとは思いも寄らなかった。ウクライナ情勢を報じる新聞写真を見て「これが戦場だよ」と伝える。繰り返し報じられる戦禍は何を残すのか。影を落とすのか、あるいは平和への思いを深めてくれるのか ▼新型コロナウイルスが猛威を振るい、自然災害も続く。この子はどんな時代を生きるのだろう。「ふしぎな月。おまえはいつもながめてる。このよのよろこびを、またかなしみを」。本の一節を読み、腕の中で空に浮かぶ月を眺める息子に悲喜も明暗も教えたい。11日は東日本大震災から11年。(一居真由子)

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