地域に防災教育担い手を 育成本腰、教員負担減も

内閣府などが入るビル=東京都千代田区(桐原正道撮影)
内閣府などが入るビル=東京都千代田区(桐原正道撮影)

内閣府は来年度から、学校と地域をつなぐ防災教育の担い手となる「コーディネーター(調整役)」を設け、育成に本腰を入れる。多くの児童や生徒が亡くなった東日本大震災の教訓を踏まえ、学校だけでなく地域の中で実践的な避難行動を学ぶ機会を増やす狙い。教員の負担軽減も目指す。


地域をよく知る自治会長や防災士、退職した校長や行政職員らを念頭に、自治体が「防災教育コーディネーター」として任命。小中学生に地域の災害リスクや防災の基礎知識、避難訓練の心得などを伝える。教員には防災教育の指導方法を教えるほか、地域と学校が避難訓練などを共同実施できるように調整する。


平成23年の震災では、宮城県石巻市の大川小で児童74人が犠牲になり、令和元年に事前防災の不備など県と市の責任を認める仙台高裁判決が最高裁で確定した。児童や生徒が自宅や車での避難中に死亡したケースも多かった。


一方、普段から避難訓練などの備えを進め、津波から児童や生徒の命を守った学校もあり、防災教育が注目を浴びた。文部科学省も大川小の判決確定を受け、同年に学校に推進を求める通知を出した。


ただ教育現場では「年間の授業時間が限られ、防災教育に十分な時間が取れない」「教員が多忙で余裕がない」といった声が上がる。専門家も、熱意や防災の知識がある教員に負担が集中したり、教員の異動で学校の取り組みが途絶えたりする懸念を指摘している。


コーディネーターが間に入ることで、学校だけでなく、地域が防災教育や避難訓練に主体的に取り組む体制が実現できる。内閣府は来年度中に、自治体向けにコーディネーターの手引を作成、配布し、取り組みを後押しする。

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