江戸東京博物館が3年間休館へ 「都市史の館」大改修

明治時代に建てられた浅草・凌雲閣のミニチュア模型。当時の写真や錦絵をもとに復元したという=東京都墨田区(永井大輔撮影)
明治時代に建てられた浅草・凌雲閣のミニチュア模型。当時の写真や錦絵をもとに復元したという=東京都墨田区(永井大輔撮影)

平成5年開館の江戸東京博物館(東京都墨田区)が、4月1日から約3年間の長期休館に入る。江戸と東京の歴史や文化を考える場として、江戸時代から約400年の歴史を中心に実物資料や復元模型などで人気を博してきたが、施設全体の経年劣化などから大規模改修が必要となった。修復に加え、バリアフリー化の促進など、施設全体の使いやすさ向上を目指すという。

同館は江戸と東京の歴史・文化に関する資料の収集や保存、展示を目的に、5年3月28日に開館した。20世紀最後の大規模博物館と呼ばれ、大型模型を駆使した展示で話題を集め、初年度の入場者は300万人超。翌々年には上皇ご夫妻も来場された。

常設展示は、実際に渡れる日本橋の復元模型をはじめ、江戸時代の長屋から昭和の庶民住宅まで実物大の模型が中心。庶民の日常生活や文化の変遷などを学ぶことができる。

都市史の専門博物館として、国内外の都市比較を視野に入れた特別展も頻繁に行い、13年の「世界遺産ポンペイ展 古代ローマの輝き」では、1日当たりの平均入場者が最多の5317人に達した。

23年の東日本大震災では同館も被災し、1カ月半ほど休館して空調設備や書庫の修復に当たった。また、震災を機に、動物園や美術館のように相互に復旧を助け合う仕組みが、歴史・民俗系博物館では脆弱(ぜいじゃく)だったことが判明。震災翌年に全国歴史民俗系博物館協議会が発足し、同館は国立歴史民俗博物館とともに事務局となった。

新型コロナウイルスが猛威をふるう近年は、入場者の約3割を占めた外国人観光客がほぼゼロとなり、小中学生の団体客も激減。令和2年度の入場者数は約38万人で前年度から約6割減った。これを受け、動画サイト「ユーチューブ」に学芸員が展示の見どころを動画で随時投稿するなど、オンラインコンテンツの充実を図り、博物館の新しい楽しみ方を提供している。

4月からの長期休館中も動画だけでなく、図書を除く収蔵品約34万点のデータを公式サイトで見られるよう準備している。同館の学芸員、飯塚晴美さんは「自宅で博物館を知るという、新たな形で楽しんでほしい」と話す。

同館では3月末までイベント「またね!江戸博」が開催中。日本舞踊公演や、過去の展覧会ポスター・写真の展示など、さまざまな企画で休館前の江戸東京博物館を盛り上げている。飯塚さんは「3年にわたる休館前の最後のチャンス。ぜひ訪れてほしい」と力を込めた。(永井大輔)

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