政府は10日、ロシアによる侵攻を受けるウクライナへの支援や対露制裁を多言語で発信している文書について、台湾や香港、世界各地の華僑の間で使われている繁体字版を公開した。
文書は元々、官邸公式サイトで日本語や英語、中国語、ウクライナ語、ロシア語など計8カ国語で掲載していた。中国語については、主に中国大陸で用いられる簡体字で発信していたが、新たに繁体字も加えた。
台湾はウクライナに支援金を寄贈するなど、民主主義国を支持する姿勢を打ち出している。権威主義国の中国による圧力と戦う台湾や香港などに向けて、ウクライナ侵略をめぐる日本の対応を繁体字で伝えることで、民主主義陣営の連帯を示す狙いがある。
政府は今年の中華圏の旧正月「春節」に合わせ、岸田文雄首相の祝辞を簡体字のほか繁体字で発信し、台湾などで大きな反響を呼んだ。(岡田美月)