実名報道の考え方公表 新聞協会「記録は責務」

日本新聞協会は10日、犠牲者の実名報道について「社会で共有すべき情報を伝え、記録することが報道機関の責務」などとする考え方を公表した。同会は、令和元年7月の京都アニメーション放火殺人事件をきっかけに、報道の在り方を議論。別の事件で子供を亡くした遺族や弁護士らからも意見を聞き、一問一答形式でホームページに掲載した。

実名を報道する理由について「誰が被害に遭ったのかという事実は核心。匿名社会では被害者側から事件の教訓を得たり、後世の人が検証したりすることができなくなる」と意義を説明。飲酒運転の厳罰化やストーカー規制法の制定など、実名を報じることで被害者遺族の訴えが広く共感を呼び、再発防止に向けた制度改善に至った事例も挙げた。

さらに、実名報道は報道機関の利益が目的ではなく、「自由な報道により市民社会が情報を得るという公の利益のためだ」と強調した。

会員限定記事会員サービス詳細