ウクライナ西部リビウで、帝政ロシア時代に専制政治に反対した国民的詩人タラス・シェフチェンコ(1814~61年)の誕生日に当たる9日、市民数百人が広場に集まり、詩を朗読したり、合唱したりした。侵攻を受けた現在とシェフチェンコ存命時の状況を重ね合わせ、ロシアへの抵抗を誓った。
市民らは「敵の血で自由を祝福しよう」などとうたった代表的な詩「テスタメント」を合唱し、それぞれが好きな詩を朗読した。シェフチェンコの銅像の台座にウクライナ国旗と同じ青と黄色のリボンを巻き付け、花を手向けた。
参加したワシリー・ツェグリュクさん(77)は「キエフは決して殺人者の手に渡ることはない」と自作の詩を朗読。ウラジーミル・ティムツオさん(84)は「シェフチェンコの詩は、ロシアと戦う兵士に力を与えてくれる」と語った。シェフチェンコは近代ウクライナ語文学の祖とされ、画家としても知られる。皇帝ニコライ1世を批判したなどとして流刑にされた。(共同)