国際原子力機関(IAEA)は9日、ロシア軍が制圧したウクライナ南部のザポロジエ原発から核物質監視システムのデータ送信が途絶えていると発表した。データ送信はチェルノブイリ原発でも停止しており、グロッシ事務局長は懸念を表明した。
グロッシ氏は10日、ロシアのラブロフ外相とウクライナのクレバ外相が会談する予定のトルコ南部アンタルヤを訪れる方針。仲介役のトルコのチャブシオール外相が招待した。原子力施設の安全確保の進展を望むとしており、会談に加わる可能性がある。
停電が起きたチェルノブイリ原発については、電源が失われても使用済み核燃料はプールの水量で十分に冷却できると分析。本質的な安全機能に決定的な影響を与えないと指摘した。ただ電力の欠如が放射線の安全管理の支障となる可能性を訴えた。(共同)