即席墓地に遺体次々、別れ告げる家族は不在 攻撃で埋葬中断も

9日、爆撃を受けた産科病院の建物脇で対応するウクライナ兵ら=ウクライナ南東部マリウポリ(AP=共同)
9日、爆撃を受けた産科病院の建物脇で対応するウクライナ兵ら=ウクライナ南東部マリウポリ(AP=共同)

包囲攻撃が続くウクライナ南東部の港湾都市マリウポリ。安置所があふれ、多くの遺体は折り重なるように、墓地敷地に急きょ掘った埋葬場所に。産科小児科病院も爆撃を受け、妊婦らが雪の中、屋外へ逃げた。「通りには何体も横たわっている」。住民らが各国メディアに対し、惨状を訴えた。(共同)

水も暖房もガスもなく、人々は雪を集めて水代わりに。空には黒い煙がいくつも立ち上る。副市長は「ジェノサイドだ」と憤った。

犠牲者が多い上、ロシア軍の攻撃はやまず、遺体を手厚く葬る余裕はない。中心部の古い墓地では8日、「集団墓地」だとして掘られた長さ約25メートルの溝に、袋やじゅうたんで包まれた40体を埋葬。9日も次々と運び込まれた。別れを告げる家族は不在。攻撃は墓地にも及び、埋葬は時折中断を余儀なくされた。

9日、爆撃を受けた産科病院の周辺=ウクライナ南東部マリウポリ(AP=共同)
9日、爆撃を受けた産科病院の周辺=ウクライナ南東部マリウポリ(AP=共同)
9日、爆撃を受けた産科病院の外を歩く女性=ウクライナ南東部マリウポリ(AP=共同)
9日、爆撃を受けた産科病院の外を歩く女性=ウクライナ南東部マリウポリ(AP=共同)
9日、ウクライナ南東部マリウポリ郊外で、水を確保するため井戸の前に列を作る人々(AP=共同)
9日、ウクライナ南東部マリウポリ郊外で、水を確保するため井戸の前に列を作る人々(AP=共同)

会員限定記事会員サービス詳細