コロナ治療薬、オミクロン株「BA・2」にも効果 東大など確認

新型コロナウイルスのオミクロン株の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)
新型コロナウイルスのオミクロン株の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

海外の一部で広がっている新型コロナウイルスの変異株オミクロン株「BA・2」に対し、日本でコロナ治療薬として承認されている中和抗体薬や抗ウイルス薬が有効なことを東京大などの研究チームが細胞実験で確認した。米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン電子版に10日、掲載された。

オミクロン株にはBA・1やBA・2といった遺伝子配列の異なる亜種が複数存在する。現在の日本を含む世界的な主流はBA・1だが、デンマークやインドなどではより感染力が高い可能性があるBA・2が主流になっており、国内でも置き換わりが懸念されている。

チームは培養細胞を使って、BA・2に対する治療薬の有効性を検証。その結果、中和抗体薬のソトロビマブや、カシリビマブとイムデビマブの2つの抗体を組み合わせて使う「ロナプリーブ」でウイルスの細胞への感染を阻害する効果を確認した。

また、抗ウイルス薬のレムデシビルとモルヌピラビルや、「パキロビッドパック」に使うニルマトレルビルについても、ウイルスの細胞での増殖を抑える効果がみられたという。

ロナプリーブをめぐっては、チームの過去の実験でBA・1に対する効果の著しい低下が確認されていたが、今回の結果から「BA・2では一定の効果が確認された」としている。

ただ、中国・武漢由来の従来株に対する有効性と比べた場合、抗ウイルス薬は最大で3分の1程度の低下にとどまったのに対し、抗体薬はロナプリーブが約63分の1、ソトロビマブは約50分の1に落ちていた。

チームの河岡義裕・東京大特任教授は「BA・2に対する抗体薬の効果は、従来株よりも低い懸念があるが、レムデシビルやモルヌピラビル、ニルマトレルビルといった低分子化合物は高い効果を維持している。できるだけ早くこれらの低分子化合物による治療を多くの患者が受けられるような体制を確立する必要がある」と指摘している。

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