岸田文雄首相(自民党総裁)は10日、官邸で公明党の山口那津男代表と会談し、夏の参院選に向けて連携を強化することを確認した。公明は、国民民主党が令和4年度予算案の衆院採決で異例の賛成に回るなど自民に接近していることに危機感を募らせており、今回の会談は、自公連立の強固な関係を演出する狙いがあったとみられる。
会談は首相側が持ちかけた。参院選の選挙協力に関して、両氏は今後、両党の幹事長や選対委員長間で緊密に意思疎通を図る方向で一致した。
会談後、首相は「自公の間ではさまざまないきさつからすきま風が生じているといわれる場面もあったが、危機的状況に直面し、いかなるすきま風も許されない」と記者団に語った。
山口氏によると、国民民主の玉木雄一郎代表が求めるガソリン税の一部を減税する「トリガー条項」の凍結解除についても議論した。ただ、国民民主との連携自体は議題に上らなかったという。