引きこもりから復活、ゾウの美都51歳の誕生日 

誕生祝いの特製ケーキを食べる美都=左京区
誕生祝いの特製ケーキを食べる美都=左京区

京都市動物園(左京区)で10日、飼育されている5頭のアジアゾウで最年長となるメスの美都(みと)の51歳(推定)の誕生日を祝うイベントが開かれた。好物をふんだんに使った特製のケーキを贈られた美都は、来園者らが見守る中、長い鼻を上手に使ってパンやリンゴをおいしそうに平らげた。

美都は推定8歳のとき、マレーシアで捕獲され、昭和54年、同国王から園に贈呈された。誕生日は、園が名前の「3(み)10(と)」の語呂合わせで3月10日に決定した。

「好物を最後に食べるなど食事を楽しむタイプ」(飼育員の黒田恭子さん)だけに、最高級メロンやイチゴなどで食パン2斤を飾り付けた特製ケーキに満足そうな様子を見せた美都。人間では60歳ほどにあたるが、これまでには紆余(うよ)曲折もあった。

園では、ラオスから3~6歳の4頭の子ゾウが寄贈されたことから、平成27年にゾウ舎を新築して5頭は転居。しかし、美都は環境の変化に対応できず、寝場所に引きこもり状態に陥った。爪や背中の毛は伸び、筋肉も落ちて健康状態が心配されたが、飼育員が外に好物のサツマイモを植えるなどして、2年後に屋外に出ることができた。

その後も4頭との同居生活に苦労したものの、積極的に近寄るメスの春美カムパートの存在をきっかけに他のゾウとも次第に打ち解けるようになったという。

この日、元気な姿で祝福を受けた美都を前に、右京区の田中早苗さん(81)は「私の年齢を超すくらい長生きして、楽しんでほしい」と話していた。(田中幸美)

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