震災11年

帰還困難区域、今春一部解除へ コミュニティー維持に課題

東京電力福島第1原発事故で福島県内11市町村に計約1150平方キロ設定された避難指示区域は、ピーク時の約3割まで減少した。今春には帰還困難区域の一部で居住再開につながる避難指示解除が始まるが、長引く避難で住民の帰還意欲は薄まっており、コミュニティーの維持が課題だ。

避難指示が続いているのは、7市町村にある帰還困難区域計約337平方キロ。国は6町村に早期の居住再開を目指す特定復興再生拠点区域(復興拠点)を設け、除染とインフラ整備を進めてきた。今年は3町村で避難解除される予定で、居住再開に向けた住民の準備宿泊が始まっている。唯一全町避難が続いていた双葉町は、6月ごろの解除を予定している。

復興拠点から外れた地域について国は昨年、2020年代に希望者が帰還できるよう避難指示解除を進める方針を決めた。ただ、帰還を望まない人の家や土地の扱いは未定だ。

県によると、東日本大震災と原発事故による福島県の避難者は県内外で最大約16万5千人に及んだが、現在は約3万3千人まで減少。帰還せずに避難先での定住を選んだ人も多い。

土地家屋から放射性物質を取り除く除染で生じた土壌などの中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)への搬入は帰還困難区域分を除き、この春ほぼ完了する。国は搬入開始から30年の令和27(2045)年までに県外で最終処分するとしているが、候補地選定にめどは立っていない。

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