蔓延防止の全面解除 病床使用率高止まりの大阪、停滞の東京が焦点

世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症を「パンデミック(世界的大流行)」と表明して11日で2年。国内では、オミクロン株の感染拡大で18都道府県に適用されている蔓延(まんえん)防止等重点措置が10日後の21日に期限を迎える。全国的に新規感染者数や病床使用率は低下傾向にあり、政府は全面解除を視野に入れるが、東京都と大阪府の扱いが焦点になっている。

政府は重点措置を解除する基準として、①新規感染者数の直近7日間平均が前週比で継続的に減少②病床使用率が50%を下回り、下降傾向にあるか、50%に向けて安定的に下降している③重症病床使用率が50%を下回っている-ことなどを定めている。さらに、重症化リスクのある高齢者へのワクチンの3回目接種の進捗(しんちょく)も判断材料としてきた。

18都道府県のうち、9日時点で病床使用率が50%以上となっているのは埼玉、千葉、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫の7府県で、このうち大阪府は66%と高止まりしている。

さらに、大阪府は65歳以上の高齢者への3回目接種も全国平均の66・1%(9日時点)を下回っている。政権幹部は「大阪は高齢者対策と3回目接種が十分ではなく、引き続きテコ入れが必要だ」と述べ、解除にはもう一段の対応が必要との認識を示す。

一方、東京都の病床使用率は50%を切っているが、リバウンドを懸念する意見は根強い。政府関係者は「医療現場には『まだ厳しい』という声がある。感染者数は高止まりしており、春休みで人の動きが活発になって暴発するのも怖い」と打ち明ける。

ただ、東京都の場合、今月末に対象者全体の4割が3回目接種を終えるとの見通しもあり、医療提供体制への負荷軽減が確認できれば、感染状況にかかわらず解除される可能性がある。既に東京都などの重点措置の適用期間は2カ月に及んでおり、岸田文雄首相も周囲に「期限で全て解除したい」と漏らす。

山際大志郎経済再生担当相は10日の参院予算委員会で、「新型コロナそのものをゼロにすることは無理だ。新規感染者数が増えている状況では押さえ込むことに全力を尽くし、できるだけ早期に経済活動ができる環境を整えていくのが重要だ」と述べ、オミクロン株の特性を踏まえた感染対策と社会経済活動の両立を訴えた。

21日に重点措置を全面解除できるかどうかは、参院選を控えた政権のコロナ対策の成否にも影響する。(千田恒弥)

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