欧州中央銀行(ECB)は10日の理事会で、主要な政策金利の据え置きを決めた。ウクライナ危機の影響で物価上昇と景気停滞が同時進行する「スタグフレーション」の恐れが強まっているが、先行きの不確実性が高まっており、対応を優先させる。
新型コロナウイルス対策で導入した緊急の資産購入制度は、予定通り3月末で終了することを確認した。コロナ対策とは別の資産購入は4月以降も続けるが、6月まで購入額を段階的に減らしていく。7月以降の対応は状況を見て決める。
ユーロ圏19カ国の2月の消費者物価指数は前年同月から5・8%上昇し、ECBが掲げる2%の目標を大きく上回った。通常であればインフレ抑制のため量的金融緩和の縮小など金融政策の正常化に乗り出す局面だが、ロシアのウクライナ侵攻がいつまで続くかといった不確定な要素が多く、大幅な政策変更の判断は次回以降に持ち越した。(共同)