露原油禁輸 経産省は安定供給優先の考え維持

ロシア中部ハンティ・マンシ自治管区の原油くみ出しポンプ=3月(タス=共同)
ロシア中部ハンティ・マンシ自治管区の原油くみ出しポンプ=3月(タス=共同)

米国によるロシア産原油の輸入禁止措置などを受け、経済産業省は9日、情報収集や石油元売り各社との情報交換などに追われた。ただ、ロシア産原油の輸入が限定的な米国に比べ、日本はロシア産原油や液化天然ガス(LNG)が輸入に占める比率は高い。中東産エネルギーへの依存からの脱却を進めてきた経産省内では、安定供給のためにロシア産原油などの輸入は引き続き重要だとの見方が根強く、「国際協調を優先し、すぐ撤退すべき」という声は聞かれない。

松野博一官房長官は9日の記者会見で米国の禁輸を受けて「先進7カ国(G7)をはじめとする国際社会と連携し、有効と考えられる取り組みを適切に検討したい」と述べた。

ただ、原油や天然ガスの調達を輸入に頼る日本にとって、ロシア産原油の供給が止まることは、安定供給の維持の観点から影響が大きい。経産省関係者は「慎重に見ていく必要がある」と国際協調を冷静に判断すべきとの姿勢だ。

その上で、「米国も(禁輸に対し)各国の判断に任せるとしている。原油価格が上昇する中で安定供給を維持し、国益を守るためにもロシア産原油の確保は重要」とし、現状のエネルギー政策を当面は維持していく考えを示した。(那須慎一)

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