経済産業省は9日、内閣官房経済安全保障法制準備室長を事実上更迭された藤井敏彦氏(57)について、無届けの兼業や不適切な飲食、セクハラが確認されたとして、停職12カ月の懲戒処分にしたと発表した。藤井氏から辞職の申し出があり、了承した。
経産省によると、藤井氏は朝日新聞の記者に対する情報漏洩(ろうえい)の疑いが週刊誌で報じられたが、漏洩は確認できなかった。ただ、以前に国家安全保障局を担当していた記者の自宅に複数回出入りしていたことは情報保全に疑念を生ませる行為で「不適切だった」とした。
経産省出身の藤井氏は同省などから入手した対外非公表の資料を、顧問を務める社団法人などに無断で送った。内閣官房の職員に対しては、性的な内容を含むメールを複数回送っていた。
経産省は藤井氏からの申し出により、停職期間の給与と1年分の賞与、無許可の兼業などを通じて得た報酬の相当額などを合わせた約3400万円を減額した退職金を支給する。