抱き込み狙う自公、国民民主と異例の幹事長会談

3党幹事長会談に臨む(左から)国民民主党の榛葉賀津也幹事長、自民党の茂木敏充幹事長、公明党の石井啓一幹事長=9日午後、国会内(矢島康弘撮影)
3党幹事長会談に臨む(左から)国民民主党の榛葉賀津也幹事長、自民党の茂木敏充幹事長、公明党の石井啓一幹事長=9日午後、国会内(矢島康弘撮影)

自民、公明、国民民主の3党の幹事長が9日、国会内で会談した。国民民主の榛葉賀津也幹事長はガソリン税の一部を軽減する「トリガー条項」の凍結解除を要請し、公明の石井啓一幹事長は賛意を示した。自民の茂木敏充幹事長は自公で検討した上で16日に再び3党会談で協議すると伝えた。与党は「政策本位」を唱える国民民主の接近を好機とみて同党を抱き込んで野党を分断し、政権運営や選挙でさらに協力を得たい考えだ。

3党は、国民民主が令和4年度予算案の衆院採決で野党としては異例の賛成に回ったことを受け、4日に党首会談を開催した。この場で国民民主が提案した政策の協議を具体化させるため、9日の幹事長会談が設定された。与党が野党第3党と継続的に政策協議を行うのは極めて異例だ。

会談で榛葉氏は、トリガー条項の凍結解除のほか、新型コロナウイルス禍やウクライナ情勢の影響による物価上昇に対応する追加の経済対策を求めた。石井氏はトリガー条項の凍結解除について「公明としても必要だと認識している」と返答した。現行制度の改善が必要だとの認識も示した。

ただ、公明内では「初めて聞いた」(幹部)と驚きが広がった。岸田文雄首相は税収減につながる凍結解除に慎重姿勢で、自公とも党内で反対・慎重論があり、実現は見通せない。

とはいえ、ある自民幹部は、国民民主に対し「花を持たせる必要はある」と語る。榛葉氏は両親や祖父母を介護する子供「ヤングケアラー」への支援なども要請したが、与党側ではこれらは一致できるとの認識が強まっている。

複数の自民関係者によれば、国民民主との連携は麻生太郎副総裁らが水面下で模索し、動いてきた。与党に接近する国民民主に対し、立憲民主党は批判を強め、夏の参院選では改選数1の「1人区」での候補者一本化を見送る可能性を示唆している。野党が複数候補を立てて政権批判票が分散すれば、与党に有利に働くため、自民は国民民主との連携を加速したい考えだ。(田中一世)

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