天災×人災…想定外を超えて

②学校に津波 生徒の安全は 対策に差 負担大きく

東日本大震災の津波で84人が犠牲となった宮城県石巻市立大川小。学校防災の課題を突きつけている=平成23年3月21日
東日本大震災の津波で84人が犠牲となった宮城県石巻市立大川小。学校防災の課題を突きつけている=平成23年3月21日

東京都の最東部に位置する江戸川区。区内の陸地の7割は満潮時の平均海水面よりも標高が低い「ゼロメートル地帯」だ。区の水害ハザードマップは全面が赤系のグラデーション。ひとたび津波や高潮が発生すれば、区内ほぼ全域が水没する可能性を意味する。

同区立江戸川小では、ほぼ毎月行われる全校の避難訓練に加え、社会科の授業での防災教育、緊急時にどのような行動を取るべきかを児童が個別に考える「マイタイムライン」(防災行動計画)の作成に取り組んでいる。新型コロナウイルス禍の影響で、ここ2年は大々的に実施できていないものの、同校の職員と地域住民、区職員が共同で、避難所開設訓練を行うなど、地域を巻き込んだ対策を進めてきた。

須藤敏之副校長は「訓練などを実施するたびに内容の振り返りを行っている」と話す。しかし、それでもまだまだ足りないことも多いと感じている。令和4年度には授業の中で、従来の体制に児童も交えた避難所開設訓練を予定している。

「具体的な訓練を授業に組み込むことで、さらに防災意識を高めてもらえれば。地域との連携も深めていきたい」

須藤副校長はこう狙いを語る。

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東日本大震災の津波で84人が犠牲になった宮城県石巻市立大川小をめぐる裁判では、震災前の学校の防災対策に過失があったと認定された。市と県に約14億3600万円の支払いを命じた判決は元年に最高裁で確定した。確定判決では「独自の立場でハザードマップの信頼性を検討することが求められていた」と指摘。高いレベルの対策を求めるなど、学校側は防災意識の更なる向上を突きつけられた。江戸川小の取り組みはこの流れに沿う。

とはいえ、すべての学校で対策が充実しているわけではない。

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