「核共有」維新を批判 立・共、参院選へ牽制思惑も

立憲民主党の泉健太代表
立憲民主党の泉健太代表

立憲民主党と共産党が、米国の核兵器を自国領土内に配備して共同運用する「核共有」の議論を排除しない日本維新の会の安全保障政策への批判を強めている。夏の参院選に向け、先の衆院選で議席を大幅に伸ばした維新の勢いを止めたい思惑も透けてみえる。ただ、日本を取り巻く国際情勢が厳しさを増していることは確かで、具体的な対案を示せなければ有権者の失望を招く可能性がある。

維新は7日、「核共有」などに関するオンライン勉強会を開催した。3日にはロシアによるウクライナ侵攻を受けた緊急提言を外務省に提出し、「核共有」の議論を開始するよう要求。また、「日本の安全保障に関わる深刻な問題だ」との認識を示した上で、防衛費を国内総生産(GDP)比で当面2%まで増額することや、世界的なエネルギー価格高騰対策として原発再稼働の検討も促した。

勉強会に出席した維新関係者は「地方議員を含め100人以上が参加し、日本をどう守るかについて話し合った。国際情勢は変化しており、議論に蓋をすべきではない」と強調した。

維新のこうした姿勢に真っ向から反発するのが立民と共産だ。

立民の泉健太代表は5日、訪問先の松山市内で記者団に「必要な防衛力は着実に整備しなければいけない」と語りつつ、「何かの危機に乗じた核の議論はあってはならない。非核三原則を変える必要はない」と強調。「もはや核は使ってはならない兵器だ。核兵器を持っても通常兵器の攻撃を防げるわけではない」とも指摘した。

共産の志位和夫委員長も3日の記者会見で、「政党として日本を核戦争に導く危険な『提言』を決定した責任は極めて重い。撤回を強く求める」と表明。党機関紙「しんぶん赤旗」も4日付で「プーチン政権と同じ『力の論理』 世界の反戦世論と矛盾」と維新の提言を批判した。

一方、立民の〝源流〟である民主党政権で岡田克也外相が平成22年3月の衆院外務委員会で、有事の核兵器持ち込みの可能性を認める答弁を行っており、岸田文雄首相も7日の参院予算委員会で「岸田内閣でも引き継いでいる」と述べた。

ウクライナが核保有国のロシアから一方的に攻め込まれている中、立民、共産両党が、ロシアのみならず中国や北朝鮮の脅威にも直面している国民の不安を払拭するに足りる具体案を示せるかが注目される。(内藤慎二)

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