ソニーの「α7 IV」は、優れたオートフォーカス機能をもつ万能なミラーレスカメラだ:製品レビュー

イメージセンサーは新しいが、プロセッサーは動画撮影向きの「α7S III」に搭載されているものと同じで、これにより幅広いダイナミックレンジを実現している。α7 IVはα7S IIIと同じように最大15ストップという幅広いダイナミックレンジなので、現像などの後処理の幅を大きく広げている。

また、新しいプロセッサーのおかげで、前モデルのα7 IIIと比べて処理速度が上がっている(ソニーによると最大8倍)。α7 IIIが手元になく2機を比較することはできなかったが、α7 IVの動きを遅いと感じたことは一度もなかった。

信頼できるAFシステム

さらにα7シリーズには、フラッグシップモデルの「α9」で初めてお目見えしたソニーのAFシステムが搭載されている。これによる進化は、まさに称賛されるべきものだ。ソニーが「リアルタイムトラッキング」と呼ぶこのAFシステムは、とても賢く高速なのである。

ハイエンドのミラーレスカメラを年間で5〜6機は試しているが、そのどれもがAFの速度向上を謳っていた。しかし、結果を見る限り、これまで違いはほとんど感じられなかった。

白状すると、趣味で撮影するときはマニュアルフォーカスしか使わない。1988年に人生初のカメラであるミノルタの「SR-T」を手にして以来、マニュアルフォーカス一筋なのだ。おかげで、それなりに素早くピント合わせができる。野生動物やスポーツの撮影を除けば、最新鋭のAFシステムに頼るより、手動でピントを合わせたほうがピンボケは少ない。

ところが、α7 IVに出合ってこの認識は変わった。

これまでマニュアルフォーカスでうまくいっていた理由は、ふたつある。まず、経験を重ねて体が覚えていること。これも重要だが、マニュアルフォーカスのシンプルさも重要である。撮影状況に応じてモードを変更したり、タッチスクリーンでAFのピントを合わせるポイントを移動したりする必要がない。レンズのフォーカスリングを回すだけでいいのだ。

ソニーの新しいAFシステムは驚くほど優秀だが、それは高速だからではない(もちろん速いのだが)。使い方がシンプルだからだ。

ソニーのリアルタイムトラッキングでは簡単に被写体を指定できて、あとはカメラが追尾してくれる。AFでピントを合わせたい被写体を指定したら、ほかのカメラと同じようにシャッターボタンを「半押し」するだけだ。するとカメラはフレーム内の決まった範囲ではなく、被写体にピントをロックする。つまり、被写体がフレーム内を移動すれば、カメラは被写体を追尾してAFを調整し、ピントを合わせ続けてくれるということだ。

このシステムには、ほかのカメラに見られるロックオン式AFに勝るメリットがふたつある。ひとつは、きちんと機能すること。もうひとつも、繰り返しにはなるが、きちんと機能することだ。

ピント合わせを気にせず、構図と光にだけ集中できるほど信頼の置けるAFシステムは、これが初めてである。動く被写体を追いかけるためにカメラを動かしても問題なかった。ピント合わせ以外のことに集中力を使えるので、よりいい写真を撮影できる。

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