欧米メディアの間で、ウクライナの首都の表記や読み方を「KIEV(キエフ)」から「KYIV(キーウ)」に変更する動きが広がっている。ロシア語に由来するキエフに対し、キーウはウクライナ語に基づく表記で、軍事侵攻するロシアへの抗議の意味合いが込められている。
英紙ガーディアンなどによると、ソ連崩壊に伴う1991年のウクライナ独立後、95年にキーウの使用が法的に認められたが、キエフの方が知名度で勝っていた。
親ロシア政権を倒した2014年の政変を経て、ウクライナ政府は、キーウの使用を呼び掛ける運動を数年前から展開。英BBC放送など一部の欧米メディアがキーウに切り替え始めた。この流れに拍車をかけたのが今回の軍事侵攻だ。デンマークのユランズ・ポステン紙は2月下旬、「キエフ」からの脱却を宣言。「小さな貢献にすぎないが、一つ一つの文字が重要な意味を持つ」と訴えた。(共同)