新型コロナウイルスの影響で2年ぶりの開催となった6日の東京マラソンは、3年ぶりに一般ランナーも参加した。政府は東京都で蔓延(まんえん)防止等重点措置の21日までの延長を決めたばかりだが、全国で市民マラソンをはじめとした大型イベントの中止が相次ぐ中、主催者には閉塞(へいそく)感の打破につなげたいとの狙いもあった。それだけに集団感染などは絶対に避けなければならず、厳戒態勢が敷かれた。
午前8時59分。青空の下でスタート台に上った小池百合子知事は、ランナーを前にこうあいさつした。「走り終わったら、そのままおうちまで走って帰ってください。直帰でお願いします!」
今回、主催者の東京マラソン財団は数々の感染対策を導入した。例年と最も異なるのが、ランナー全員へのPCR検査義務付けだ。ランナーには事前に検査キットを配布し、ゼッケンなどの事前配布の際に検体を回収。検査結果をメールで通知し、陰性だった場合のみ出走できる。当日、コースに入る際には体温や陰性証明の提示も求めた。
スタートの方式も変えた。スタート地点の密集を避けるため、3つのグループに分けてスタートに10~15分の時間差を設けた。ランナーは余裕をもって待機し、案内に従って移動した。沿道には観客も並んだが、事前に大声を控えるよう主催者が要請。コースの各所には消毒液も設置され、ゴール地点では走り終えたランナーが手を消毒し、家路についた。