血まみれの毛布に包まれた幼子の遺体を前に、母親が泣き崩れた。ロシア軍がウクライナでの攻勢を強め、住宅地が爆撃を受けている。病院や学校も被害に遭い、絶望で立ち尽くす医療関係者。「この光景をプーチン(ロシア大統領)に見せろ」と人道危機に激しく憤る。
ロイター通信によると、英軍情報当局はロシア軍が人口密集地を狙っていると分析。ロシア軍が包囲し、集中砲火を浴びている南東部マリウポリでも死傷者が続出している。
現地からの報道などによると、4日に1歳半の男児キリルちゃんが病院に運び込まれたが、手の施しようがなく、亡くなった。涙を流す母親のマリーナさん。治療に当たった医療従事者は床にへたり込み、ぼうぜんと宙を見つめた。マリウポリで何度も繰り返されている場面だという。(共同)