石油や液化天然ガス(LNG)などの資源高騰を受け、ガソリン価格、電気料金はもちろん、日用品、食料品にいたるまで、あらゆる分野の商品で値上げが続いている。ここにきてロシアがウクライナを侵攻。原油の円滑な供給が不安視され、エネルギー価格はさらに上昇するとみられている。カギを握るのは「賃上げ」なのか。大和総研副理事長で内閣官房参与の熊谷亮丸氏に聞いた。
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日銀が示した2%の物価安定目標の達成は困難だ。携帯電話料金の引き下げによる効果が剝落する4月以降に2%程度まで達する局面があったとしても、一時的なものだろう。生鮮食品を除いたCPI(消費者物価指数)は、資源高が押し上げ要因となるが、1%台後半で頭打ちになるとみられる。目標達成には名目賃金の上昇率を高める必要があり、賃上げがカギとなる。