<独自>北大東島に移動レーダー 防衛省、配備向け適地調査へ 中国空母の監視強化

航空自衛隊が運用する移動式警戒管制レーダー(空自提供)
航空自衛隊が運用する移動式警戒管制レーダー(空自提供)

防衛省は外国機の領空侵犯と領空接近を監視する航空自衛隊の移動式警戒管制レーダーを北大東島(沖縄県北大東村)に配備する検討に入った。レーダーを展開させる適地を調査する方針を今月中にも同村に説明する。中国の空母「遼寧」や軍用機が太平洋への進出を活発化させている中、太平洋側の島嶼(とうしょ)部は固定式警戒管制レーダーが置かれていないため、移動式の展開で監視態勢を強化する。

平成30年策定の中期防衛力整備計画(令和元年度から5年間)は「太平洋側の広大な空域を含むわが国周辺空域における防空能力の総合的な向上を図る」と打ち出した。移動式警戒管制レーダーも「運用するための基盤の太平洋側の島嶼部への整備により、隙のない情報収集・警戒監視態勢を保持する」と明記した。

固定式レーダーを置いておらず、防空態勢の空白地域となっている太平洋側の島嶼部について、防衛省は中期防衛力整備計画の策定時、東京都の小笠原諸島への移動式レーダーの展開基盤の整備を先行させることを念頭に置いていたが、地元の理解を得られていない。一方、北大東村議会は昨年12月、自衛隊の誘致を求める意見書を全会一致で可決している。

防衛省は北大東島への移動式レーダーの配備は地元の理解を得やすいと判断し、小笠原諸島より優先する方針に転換しつつある。

移動式レーダーの展開基盤の整備に向け、適地調査では候補地の電波環境などを調べる。レーダーを展開する要員は那覇基地の空自第4移動警戒隊から派遣することを想定している。

中国軍は平成25年、九州―台湾―フィリピンを結ぶ第1列島線を早期警戒機が沖縄本島・宮古島間で突破し、太平洋に進出したことが初めて確認された。

28年には空母・遼寧が沖縄本島・宮古島間を通過して初めて太平洋に進出した。遼寧は30年以降、複数回にわたり太平洋で艦載戦闘機を発着艦させたことも確認されている。

中国は小笠原諸島―グアム―パプアニューギニアを結ぶ第2列島線までの防衛ライン拡大を目指している。昨年12月、北大東島の東約300キロの海域で遼寧の艦載戦闘機・ヘリが発着艦をしており、防衛省は警戒監視態勢の強化を急ぐ。

■移動式警戒管制レーダー

他国の航空機の領空侵犯・接近を監視する車載型のレーダー。航空自衛隊が全国28カ所に設置している固定式レーダーが敵の攻撃などで機能しなくなった場合、代替機能を果たすのが本来の役割。移動させやすいのが特徴。

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