米カード大手、ロシア業務停止

ニューヨーク証券取引所のフロアに表示されているビザのロゴ(AP)
ニューヨーク証券取引所のフロアに表示されているビザのロゴ(AP)

【ワシントン=塩原永久】ロシアのウクライナ侵攻を受け、米企業でロシアから撤退する動きが広がっている。米クレジットカード大手のビザとマスターカードは5日、ロシアでの業務停止を発表。米決済サービス大手ペイパルも事業凍結を表明した。欧米各国の制裁に加えて民間企業の撤退が相次ぎ、ロシア経済の孤立化が進むとみられる。

ホワイトハウスによるとバイデン米大統領が5日、ウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談の中でビザとマスターカードの決定を歓迎した。欧米メディアによると、ゼレンスキー氏が両社のロシア事業停止を米議会に要請していた。

ビザがロシアで発行したカードはロシア国外で使用できなくなるほか、同国外で発行されたカードはロシア国内で使えなくする。

マスターカードはロシア国内で発効されたカードへの決済ネットワークの提供を停止。同国外で発行されたカードはロシアで使用できなくなる。

同社がすでにロシアの一部銀行を決済ネットワークから排除するなど、各社が侵攻と制裁発動への対処に動いていた。ウクライナでの状況悪化に応じ、一段と厳しい対応を決めた。

ビザのケリー最高経営責任者(CEO)は声明で、「ロシアによる言われなきウクライナ侵攻で行動を起こさざるを得なくなった」と指摘。ペイパルのシュルマンCEOも「ロシアの粗暴な軍事侵攻を非難する国際社会とともにある」と述べた。企業は悪化する事業環境への対応だけでなく、軍事行動を続けるロシアへの批判を前面に踏み込んだ対応をとり始めている。

会員限定記事会員サービス詳細