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『いのちの車窓から』 星野源が見た風景、人々

『いのちの車窓から』星野源著(角川文庫・660円)

本書は、音楽家、俳優、文筆家として幅広く活躍する星野源さんのエッセー集です。もともとは雑誌『ダ・ヴィンチ』に平成26~29年に掲載された連載をまとめ、29年に単行本化。今回、待望の文庫となって発売、累計42万部を突破している大人気作です。

「人生は旅だというが、確かにそんな気もする。自分の体を機関車に喩(たと)えるなら、この車窓は存外面白い」

最初の章の「いのちの車窓から」では、こうつづられています。本書には、「著者が見てきた風景や周囲の人々を、そのままに文章に落とし書いていく」というテーマがあります。

その言葉通り、著者の目である<フィルター>を通した風景や人々、心の機微が描かれています。

落語家の笑福亭鶴瓶さんの言葉を想って泣きながら歩いた夜のこと、自分が「人見知り」と口にすることをやめた理由、大ヒット曲「SUN」「恋」の誕生の裏話、大人気ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の撮影秘話……。星野さんの文章はきっと、読者にさまざまな「気づき」や「きっかけ」を与えてくれることと思います。

毎月2000字で掲載されてきた連載は今、4000字で3カ月に1回というペースで続いています。文庫化にあたっては、カバーを新装し、長~い書き下ろし〈文庫版あとがき〉を加えました。個人的にはあとがきで書かれた著者の考え方に、ぐっときました。ぜひお手にとってみてください。

(KADOKAWAダ・ヴィンチ編集課 村井有紀子)

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