Q
幼稚園年長クラスの息子が極度の怖がりで、耳鼻科や歯科での治療を嫌がり、毎回かなり時間がかかります。怖い気持ちに共感しつつ、治療する理由を優しく伝えてから行きますがダメです。席に座ると暴れ、無理に押さえつけて治療していますが、4月から小学生になるのでそろそろおとなしく治療してほしいです。
A
実は私も年長クラスの時に歯医者さんで大泣きした思い出があります。怖いものは怖いのです。絶叫マシンが苦手な人に、「大丈夫だよ」と言ってもダメなように、どう説得しても効果はないでしょう。
作戦が3つあります。まずはご褒美作戦。お医者さんに行く日はお気に入りの玩具を持たせ、たとえ泣いてもその日は何か褒美を買ってやるのです。医者に対して少しでもプラスのイメージがつき、次につながります。「帰り道はいつもおんぶ」「晩ご飯を好きなおかずにしてやる」など、褒美は何でもOKです。
2つ目はお医者さんをかえる作戦。耳鼻科と歯科は痛いところとそれほどでもないところがあることを経験で知りました。小さな子供に愛想がよい先生とそうでない先生もいます。地域の口コミを頼りに、いろいろ探してみてください。
最後は、もうこのまま行っちゃえ作戦です。息子さんはおそらく数年前からそんな感じだったと思うのですが、ここまできたならあと少しです。小学校に上がったら、「ここで泣くのはみっともない」などと自分で思うようになっていきます。私もそうでした。それまでは大変ですが、今はもう諦めて、このまま行っちゃいましょう。
大人になれば、今のことが必ず笑い話になります。将来そうなるエピソードを今、作っている、とでも思って、気にしすぎないことも大切かと思います。でも先生にはその都度ひと言謝っておいてくださいね。(こどもコンサルタント)
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はらさか・いちろう 23年間の保育士勤務を経て平成16年から、こどもコンサルタントとして研究・執筆・講演活動を行う。日本笑い学会理事。自他共に認める怪獣博士でもある。
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