深層リポート

宮城発 鳴子温泉に風力発電7計画 大規模開発、鍵は「住民合意」

宮城県北部の7つの風力発電計画
宮城県北部の7つの風力発電計画

鳴子こけしで知られる宮城県大崎市の鳴子温泉地区周辺に、7つの大規模風力発電計画が持ち上がり波紋を広げている。最大高さ200メートルの風車が最多で計約190基、総出力約65万キロワットという規模で、東北大学が放射性物質に汚染された牧場地を貸し付けた事業も含まれる。地元の住民団体は2月、全計画の白紙撤回を求める反対署名を村井嘉浩知事宛てに提出した。大規模開発をめぐり、地域住民との合意形成のあり方が問われている。

「健康、安全に疑問」

「節度を超えた大規模事業には健康、安全、環境、景観破壊など疑問や不安がある」

2月16日、大崎市の住民団体「鳴子温泉郷のくらしとこれからを考える会」(曽根義猛代表)は県庁を訪れ、反対署名3095筆を提出した。

計画のきっかけの一つは、県が平成30年、「風力発電導入に係る県全域ゾーニングマップ」を策定し、鳴子周辺を「導入可能性エリア」としたこと。宮城、山形両県の3市3町にまたがる鳴子周辺に4事業者の7計画が集中した。

環境省が国民保養温泉地に指定する全国有数の温泉地に、降って湧いた大規模開発。署名サイトなどで続く反対署名でも、常連客から「鳴子の風景に癒やされてきた」「景観を壊さないで」といった声が相次ぐ事態となった。

計画地の一部には、希少な渡り鳥のルートも含まれる。

東北大の汚染地も

7計画のうち「六角牧場風力発電事業」には、23年の東京電力福島第1原発事故で放射性物質に汚染された東北大の牧場地を、大学が除染しないまま貸し付けていた。

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