主張

重点措置の延長 漫然と続けず制限緩和を

新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を受ける岸田文雄首相(左)=4日午後6時58分、東京都千代田区(代表撮影)
新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を受ける岸田文雄首相(左)=4日午後6時58分、東京都千代田区(代表撮影)

延長はこれで終わりにしてもらいたい。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた31都道府県の蔓延(まんえん)防止等重点措置をめぐり、政府が東京都や大阪府など18都道府県の適用を今月21日まで延長することを決めた。福岡など13県は6日までで解除する。

新規感染者数の増加はピークを打ったが、減り方は緩慢だ。第6波の当初、若年層で顕著だった感染は高齢層に広がり、重症者や死者数、病床使用率は今も高止まりが続いている。

感染状況には地域差があり、その点から延長や解除を判断するのはやむを得ない。

だが、これはオミクロン株の特性に合った万全の対策を講じた上での話である。

むしろ、今の実態は、漫然と重点措置の延長を繰り返しているだけなのではないか。

例えば飲食店に対する営業自粛や時短の要請だ。第6波の重点措置が始まった1月には、時短などの人流抑制より人数制限の方が有効だという専門家の意見もあったが、その後も時短要請は漫然と踏襲されている。これでコロナ対策と経済活動を両立できるのか。

オミクロン株は基礎疾患のない現役世代では重症化しにくく、感染による死亡者の多くが70代以上だ。感染対策の主たるターゲットが高齢者と子供であることははっきりしているのに、こちらの対応は不十分なままである。

高齢者の長期入院で病床が逼迫(ひっぱく)しないよう高齢者施設などの対応力を向上させる。感染者や濃厚接触者がいる中でも経済活動を継続できるよう保育施設などの機能を維持する。こうしたことがどの程度達成できたのかを検証し、さらなる徹底を図るべきだ。

経済活動との両立に不可欠な無料検査は、キットの不足により各地で中断された。政府は2億回分を確保したというが、相変わらず対応が遅すぎる。

水際対策の緩和については、1日当たりの入国者数上限が3500人から5千人に引き上げられた今月1日に続き、14日からは7千人になるというが、いかにも小出しである。

オミクロン株の既存系統より感染性が高い系統「BA・2」などの蔓延を十分に警戒しつつ、科学的な知見に基づいて行動制限の緩和を進める。その姿勢に徹することが改めて求められよう。

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