北京パラ開幕 選手支える「日本の技術力」

トヨタ自動車は選手と二人三脚でチェアスキーの開発を進めてきた(トヨタ自動車提供)
トヨタ自動車は選手と二人三脚でチェアスキーの開発を進めてきた(トヨタ自動車提供)

4日開幕の北京冬季パラリンピックでは「ものづくり日本」の高い技術力が選手を支えている。身体に障害のある選手にとって競技で使う道具は失われた機能を補う体の一部。勝敗を左右する重要な要素にもなるため、提供する企業も、選手が能力を最大限に発揮できるよう、二人三脚で技術を磨いてきた。

メダルが期待されるアルペンスキーの座位で、男女のエースである森井大輝選手と村岡桃佳選手のチェアスキー開発に取り組んできたのはトヨタ自動車だ。

トヨタがチェアスキー開発を本格化させたのは平成27年。前年に森井選手が入社したのがきっかけで、パラリンピックでは2018年の平昌大会への提供が最初だ。その後、北京大会に向けてスキーの剛性を2倍近くまで高めて選手の意図がすべりに伝わりやすくしたほか、軽量化も進めた。

空気抵抗も約9%改善した。自動車で培ったノウハウを取り入れ、前方は空気の流れを後ろに受け流し、後方は流れを巻き込ませない形状にした。

チェアスキーでは大阪府大東市の義肢メーカー「川村義肢(ぎし)」のシートを愛用する選手が国内外に広がっており、激しい動きに耐えられる丈夫さと柔軟性を兼ね備える。

障害があると体が左右非対称で、まひがあることも少なくない。バランスを取るには選手の体に合った調整が不可欠で、担当者は「足にぴったりあったスキーブーツを履くように地面に力が伝えられるよう工夫している」と話す。

日本選手団の狩野亮(かのう・あきら)選手も同社のシートを使うが、シートに入れるインナーパッドはブリヂストン製だ。レーシングマシンのシートづくりで使われる技術が用いられており、本人の下半身の型を取り、厚みなどもミリ単位で調整したという。

各社の高い技術力は〝陰の主役〟だが、五輪に続き、パラリンピックでも企業が前面に出ることはなさそうだ。中国が人権問題を抱えるためで、テレビCMなども自粛される見通し。CM総合研究所によると2日時点で北京パラリンピック関連のテレビCMは確認されていないという。

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