東京都は3日、新型コロナウイルスの感染状況を分析するモニタリング会議を都庁で開いた。政府が都に対する蔓延(まんえん)防止等重点措置について期限延長の方針を固める中、会議では都内主要繁華街の夜間の人出が2週連続で増加したことが報告された。年度末の歓送迎会シーズンを前に、専門家は「危機的な感染状況のさらなる長期化が懸念される」と指摘した。
同会議によると、繁華街の夜間の人出は1月21日の重点措置開始後に大きく減少。直近も昨年末と比べれば午後6時~午前0時の時間帯で35%減ったが、2月半ばとの比較では増加が続いている。
すでに重点措置が解除された沖縄や山口など複数の県で夜間の人出が急増し、新規感染者数が下げ止まったり、再び増加に転じたりしていることも報告された。都医学総合研究所の西田淳志社会健康医学研究センター長は、東京でも夜間の人出が増加し続けた場合、「新規感染者数が十分減少する前にリバウンド(感染再拡大)へと向かう可能性が高い」と警戒を呼び掛けた。
一方、都内の3月2日時点の新規感染者数は7日間平均で1万690人。1万3057人に上った前回(2月23日時点)からは減ったが、依然として高水準にある。
新規感染者(2月22~28日)の年代別内訳では、10歳未満が19・1%と最も多く、10~20代を含めた若年層以下で45・9%を占めた。国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「保育園、幼稚園や学校生活での感染防止対策の徹底が求められる」と指摘した。
感染の広がりが懸念されるオミクロン株の亜種「BA・2」については昨年12月から1月にかけ、計34件の感染がゲノム解析で確認された。うち29件は市中感染とみられるという。